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流体工学 研究室紹介(小川和彦)

流体力学は、単に流体機械内部の流れだけでなく、自動車、航空機、船舶など交通機械や広く環境問題に対しても、ますますその重要さを増してきている、本研究室では、交通機械にかかわる種々の流体現象に関して、実験および数値シミュレーション等により、現象の解明と実機への応用を目指している。

主な研究課題

(1)交通機械用制御弁のキャビテーション現象

水車やスクリューなどの流体機械や産業プラント、舶用機関の制御弁では、流れに含まれる気泡核が低圧にさらされて急激に膨張し、周囲の水も気泡内部へと蒸発し、その結果水蒸気を含む気泡が成長する。気泡が目視できる程度の大きさになったときにキャビテーション現象と呼んでいる。またエンジンでの燃焼の際にも、燃料を細い流路で気化するのもキャビテーション現象が見られる。このような気泡が周囲の圧力変化によって収縮・膨張したり、あるいは再び高圧にさらされて崩壊する際に騒音が発生し、さらには気泡の崩壊時には衝撃的な圧力波や、ジェットが発生するためこの現象が長期にわたると壊食を引き起こすことになる。

本研究では流体制御弁の低騒音化や、キャビテーションが制御弁などに及ぼす影響を実験と理論面から追求している。


制御弁からのキャビテーション初生
(弁の前縁・後縁から気泡発生)


制御弁まわりのキャビテーション成長
(弁体背面で気泡成長)


激しいキャビテーション状態
(フラッシング状態、下流で空洞部発生)

(2)車両まわりの非定常流れなどの三次元離散渦法による解析

流れ解析では差分法による方法が一般的だが、大きな剥離を伴う問題や物体と流れの境界が時間とともに移動していくような問題には離散渦法が適しており、本研究室では、剥離を伴う高レイノルズ数の流れを渦法によって解析を行っている。最近では乱流、伝熱をともなう問題にも拡張され、応用範囲が広がっている。現在は、車両・列車まわりの非定常性のつよい場合の流れ、たとえば横風抵抗や、気流速度が大きく変化する問題、あるいはヘリコプターの回転翼のように境界が移動する流れについて空力性能の向上や翼形状に関する研究を行っている。


二枚の回転翼から発生する渦糸分布


車両への横風(流れの剥離)

(3)二相流の分岐に関する研究

蒸気を初めとする水―蒸気の二相流や、一般に配管途中で熱移動や圧力変化による蒸発・凝縮を伴う二相流は、自動車の冷却装置に用いるラジエター(熱交換器)、エンジンの冷却装置は言うに及ばず、一般の産業配管でも数多く見られる。それらの配管で流れを分岐させる場合、元の配管から枝分かれする各枝管にどのような割合で流量が分配されるのかは、非常に重要な問題であるにもかかわらず、研究が少なく、実情がまだ十分明らかにはなっていない。エネルギーの有効利用の面から実用上、非常に重要と思われ、実験面、理論面からその特性を明らかにしていく。