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制御工学応用研究室紹介(田代勉)

 現在、自動車には数十個に及ぶコンピュータが搭載されており、大規模な電子システムと呼べる側面を持っています。この車載電子システムの特徴の一つとして、扱う対象が車両運動、油圧、燃焼、軸や車体の振動、モータ動作、摩擦要素の締結、熱交換など多様であることが挙げられます。本研究室では、これらの違いに寄らず対象を数学モデルで表現し、数理的解析に基づいて制御器を設計する制御工学を応用し、自動車の性能向上や、新しい機能・価値の実現を目指した研究を進めています。

研究分野

制御工学、エネルギーマネジメント、ハイブリッド車、自動走行、駐車支援、ロバスト制御、モデル予測制御、ハイブリッドダイナミカルシステム

研究テーマ

○ 駆動・電気・熱に跨るハイブリッド車のエネルギーマネジメント
○ ハイブリッドバスのモデリングと駆動力・充放電電力制御
○ モデル予測制御を用いた自動駐車のための操舵制御
○ 多様な目標設定に対応する自動走行・駐車支援制御
○ 追従特性が異なる車両を含む隊列における加減速制御

主な研究テーマ

・ハイブリッド車の制御・エネルギーマネジメント

 ハイブリッド車は“駆動力を発生する”という一つの目的に対して、“エンジン”と“モータ”という二つの手段を持っています。従って、必要な駆動力を実現するエンジンとモータの発生駆動力の組合せは多数存在し、その中には最も燃費・エネルギー効率が良い組合せが存在します。ハイブリッド車では、電力を貯蔵するバッテリを用いることで時間軸方向も含めた視点からエンジンとモータの発生駆動力を適切に制御し、燃費を向上しています。これらは言い換えれば駆動力を有効出力として,エンジンにおける損失,特に燃料が熱に変換される比率をできるだけ小さくすることを狙っています.しかし実際には、エンジンの熱は暖房等に有効活用されているので、冬季の暖房熱不足やエンジン暖機の遅れといった熱不足の状態を招くこともあり、その結果、熱発生目的でエンジンを稼働せざるを得ない事態が生じ、燃費向上度が低下することさえあります。
 駆動・電気・熱に跨るハイブリッド車のエネルギーマネジメントの研究では、エンジンを駆動力発生器の視点に加えて熱発生器としても捉え、シミュレーションを活用して車両全体としてのエネルギー効率を高めるエンジン・モータ・熱機器の制御方法を研究しています。

・駐車支援・自動走行

 超音波センサなどを用いて車両の周辺環境を認識し、駆動力や舵角を調整して車両を自動的に走行させる研究が盛んに行われています。そして、その実現に必要な技術は、認識に関すること、目標軌道の設定に関すること、車両の操作に関することなど多岐に渡ります。
 この中でも本研究室では、多様な目標設定に対応できるよう駆動力や舵角を設定して車両を操作する制御の研究を実施しています。車両を走行させる際には、逐次目標軌道に追従させたい、目標位置だけが決まっていてそこへ至る軌道は自由に設定してよい、最短距離で移動したい、点在する障害物に接触しないように目標位置へ到達したい、設定されている道幅の中で目標位置へ到達したい等、様々な場合があります。
 研究では、主にモデル予測制御という手法を活用し、シミュレーション及び模型車両を用いてこのような様々な場合に対応できる制御の研究を実施しています。